こんにちは、地域情報発信ライターのFUNEです。
今回は、長野県飯田市で創業した老舗食品メーカー・旭松食品の天竜工場内にある直営店「新あさひ屋」をご紹介します。
工場敷地内にある直営店「新あさひ屋」では、スーパーなどでよく見かける定番の高野豆腐はもちろん、大容量パックやギフトなど、さまざまな商品が販売されています。
この記事では、直営店の様子を中心に、旭松食品とその歴史、高野豆腐の魅力をたっぷりお伝えしていきます。
※高野豆腐には、しみ豆腐や凍豆腐などいろいろな呼称がありますが、この記事では、基本的に「高野豆腐」と統一して表記します。


■旭松食品ってどんな会社?
旭松食品は、高野豆腐をはじめ、大豆を活かした食品を中心に製造している企業です。1950年に長野県飯田市で創業し、現在は飯田市をはじめ長野県内に4つの工場があり、多くの地元の人々が勤める地域密着企業として知られています。



■11月3日は高野豆腐の日! お出汁がじゅわ~っとしみ出すあったか高野豆腐を食べよう!
寒さが本格化する11月は、湯気がふんわり立ち上る高野豆腐の煮つけをいただくのにぴったりの季節です。
全国の高野豆腐メーカーが加盟する「全国凍豆腐工業協同組合連合会」は、高野豆腐を和食の代表と位置づけ、
“日本の食文化の伝承とそのすばらしさを再発見してほしい”
“おせち料理を食して家族で健康な新年を迎えてほしい”
との想いから、【文化の日】であり、年内残り58日(コウヤ)である11月3日を記念日に制定しています。
普段、あまり高野豆腐を食べないという方も、この日にはぜひ高野豆腐を食べてみて! 心も体もほかほかになれますよ。

■直営店では“ほぼ全商品”が揃う!
直営店では、旭松食品の商品ほぼ全ラインナップがそろっているほか、ここでしか買えない商品があるのが特徴です。
定番の高野豆腐に加え、
カップ入りオートミールや、みそ汁・スープ類
フリーズドライ納豆
おからパウダー
など、多彩なアイテムが並びます。
いつも使う高野豆腐が、「ここに来れば確実に手に入る」という安心感があり、地元の常連さんたちの“買い場”として密かに人気を集めています。



■売れ筋は高野豆腐の大容量パック
なかでも人気なのが、大容量タイプの高野豆腐。
「ご近所さんと分け合うために買っていく」という人も多く、まさに地域に根ざした買い方がされているそうです。

■限定包装紙も人気の理由
店内の商品を贈答用に購入すると、原田泰治さんの絵を使用した包装紙で包んでもらえます。
この包装紙は、この直営店だけで手に入る限定品。かわいらしく、どこか懐かしさを感じる原田泰治さんの世界観が、高野豆腐の素朴さと相性ぴったりです。


■飯田市と高野豆腐、旭松食品の歩み
高野豆腐は、諸説ありますが和歌山県の高野山で生まれた保存食。豆腐をいったん凍らせてから乾かし、食べる直前に湯などで戻して食べます。
かつては高野山の僧侶たちに親しまれ、やがて関西全体で広く食べられるようになったそうです。そのため、江戸時代には関西が最大の生産地であり、同時に消費地でもあったのです。
しかし、江戸末期になると信州諏訪地方を中心に「シミ豆腐(凍豆腐、高野豆腐)」の生産が盛んになり、関西を追い越して全国の主生産地へと発展していくことになります。冬季の副業として高野豆腐をつくる農家も増え、昭和初期には長野県各地で生産が活発化しました。
その中でも、冬の厳しい寒さ・晴天の多さ・澄んだ水といった自然条件がそろっていた現在の飯田市にあたる松尾村は、とくに高野豆腐づくりが盛んでした。

・松尾凍豆腐組合から旭松へ
松尾村では、多くの豆腐業者が集まり松尾凍豆腐組合が設立され、地域ぐるみで生産が行われていました。製品は関西市場でも高い評価を受け、人気を博します。
しかし、戦時中になると状況は一変。工場は軍需工場として藤倉航空工業株式会社に譲渡され、さらに大豆の供給が逼迫したことで、下伊那郡凍豆腐施設組合も解散。一時期、凍豆腐づくりは地域から姿を消しました。

・戦後の復活と旭松凍豆腐株式会社の誕生
戦後、食糧事情が悪化するなかで、高野豆腐は良質な植物性たんぱく源として再び脚光を浴びます。細々と続いていた下伊那の凍豆腐(高野豆腐)づくりが、再び注目されるようになりました。
昭和24(1949)年ごろには、松尾村が本格的に高野豆腐の生産地として復活。一時期軍需工場になっていた施設を買い戻し、昭和25年12月19日、旭松凍豆腐株式会社を創立します。これが、現在の旭松食品(創業地は松尾明の工場)のはじまりです。

・創業当時の高野豆腐づくり
旭松食品創業当時の高野豆腐づくりは、人力もしくは手作業が大半でした。
原料の大豆を運び、豆腐を凍らせ、乾燥させる…重い大豆運びに始まり、極寒の凍結室と、熱風の吹く乾燥室での工程を繰り返すため、凍豆腐の製造は重労働だったといいます。それでも、地域の職人さんたちは一枚一枚丁寧に仕上げ、品質を守り続けました。
現在の製造工程は、機械化されているものの、現在でもなお、丁寧な仕上げと高い品質が評判です。


※参考文献:旭松食品株式会社『旭松食品50年の歩み』(2001年)
■旭松食品のおすすめレシピ紹介
取材時に、旭松食品の方からお伺いしたおすすめレシピを紹介します! どれも意外なおいしさの人気レシピ。ぜひ作ってみてくださいね。
●旭松食品の高野豆腐使用【高野豆腐のから揚げ】
アレルギー物質:小麦・卵・鶏卵・大豆

材料(2人分)
高野豆腐 2枚
おろし生姜 8g
おろしにんにく 4g
酒 大さじ1と1/2(22g)
しょうゆ 大さじ1(18g)
鶏がらスープの素 小さじ1(1g)
かたくり粉(下味用) 大さじ3(27g)
小麦粉 大さじ1/2(5g)
かたくり粉(衣用) 大さじ2と1/2(23g)
揚げ油 適量
作り方
①:高野豆腐は40度ほどの湯で戻し、一口大にちぎって固く水気を絞る。
②:(おろし生姜・おろしにんにく・酒・しょうゆ・鶏がらスープの素)をボウルに入れて混ぜ、高野豆腐を加えて味をしみ込ませる。
③:ビニール袋に②を入れ、かたくり粉を加えて袋の口を押さえ、全体にまんべんなく粉をまぶす。180度の揚げ油でカリッと揚げる。
メモ
・下味の調味料をしっかり吸わせることで、冷めてもおいしく仕上がります。
・揚げたてはもちろん、お弁当のおかずにもおすすめです。
●旭松食品のおからパウダー使用【バナナケーキ】
アレルギー物質:卵、乳成分、大豆、バナナ

材料(18cmパウンドケーキ型1台分)
おからパウダー60g
ベーキングパウダー小さじ2(約8g)
塩小さじ1/3(約2g)
バナナ(潰す)中2本(約200g)
バター100g砂糖大さじ6と2/3(約60g)
卵L2個(約120g)
レモン果汁大さじ2/3(約10g)
作り方
①:(おからパウダー・ベーキングパウダー・塩)を混ぜておく。
②:バターを溶かし、砂糖を加えて混ぜる。 さらに卵・レモン果汁・バナナを加え、泡立て器でよく混ぜる。
③:②に①を加え、だまがなくなるまでしっかり混ぜて生地を仕上げる。
④:型に入れ、200度で10分焼いた後、170度で20分焼く。
メモ
・密閉して冷蔵庫で一晩寝かせると、しっとりとしたバナナケーキになります。
・熟していないバナナを使う場合は、電子レンジで約1分加熱してから使うと良いです。
■地域に根ざし、未来にも続く「高野豆腐の力」
旭松食品の発祥地・飯田にある直営店は、観光スポットというよりも、地元の暮らしにしっかり根ざした小さな拠点。健康志向の商品を探している方、地元の企業を応援したい方に、ぜひ訪れてほしい場所です。
また、高野豆腐は“ローリングストック”にも最適な食材。
製造日から6か月~1年に及ぶ常温での長期保存が可能なうえ、調理も簡単。
非常時の備えとしてはもちろん、日常の食卓でもたんぱく質・カルシウム・鉄分をしっかり摂れる優秀な常備食品です。
「もしもの備え」ができるだけでなく、お目当ての食材が価格高騰で購入を迷ってしまう…そんなときにも、おいしく解決してくれる! 頼もしさと安心感の両方をもたらしてくれるのが、高野豆腐の魅力です。
飯田で製造された高野豆腐が、これからも私たちの食卓を“栄養豊かに、やさしく、賢く”支えてくれそうですね。

■基本情報
旭松食品株式会社 天竜工場
住所:長野県飯田市駄科1008
※Googleマップ
営業時間:9:00〜16:30
定休日:土・日・祝日(工場稼働日に準ずる)
駐車場あり/工場見学は行っていません
※公式サイトはこちら
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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